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久留米市美術館 とき・ひと・美をむすぶ(平成30年1月1日号)

市美術館のイベントや所蔵作品を紹介します。

「扇」はじめまして・おひさしぶりです

久留米市美術館のコレクションに新しく加わり、今回の展覧会で初のお披露目となる東郷青児の作品「扇」は、1934年の第21回二科展に出品されて以来、83年ぶりの一般公開となります。
縦長の画面には、青みがかったグレーを背景として、装飾的な形をしたフェンスのような物の前に、扇を持った色白の女性が描かれています。配色は全体的にモノトーンでまとめられており、淡い赤色の唇が際立ちます。
また、よく描き込まれた細部にも注目してください。大きく描かれた切れ長の目は、よく見ると二重まぶたになっており、顔の印象を大きく左右する目の表現にこだわりがあることも分かります。腕を覆うロンググローブの模様は、残念ながらその大部分が消えかかっていますが、左肘の部分は比較的残っており、その細かな装飾の跡を楽しむことができます。
そして、今回の展覧会では、本作とほぼ同年代の1933〜37年までの女性像が1つの部屋で並びます。約5年間でどれほど画風が変化するのか、ぜひ会場で見比べてみてください。 【学芸員:森 智志】

【問い合わせ先】市美術館(電話番号0942-39-1131、FAX番号0942-39-3134)

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