トップ > 広報くるめ > 久留米市美術館 とき・ひと・美をむすぶ

久留米市美術館 とき・ひと・美をむすぶ(平成30年12月15日号)

市美術館のイベントや所蔵作品を紹介します。

中世の職人技をめざして

 「クリサンセマム」は日本でもなじみ深い花である「菊」をデザインした壁紙です。
 浮世絵版画と同様に、完成までには何枚かの版木を順番に刷っていきます。使われているのは7枚。色の数だけ版を彫り、刷って乾かすことを繰り返すので、とても手間のかかる仕事です。
 モリスは、産業革命後の機械化していく世の中に批判的な立場を取っていました。彼が理想としたのは、喜びを持って労働をしていた中世の職人たちの社会。壁紙も、あえて手作業にこだわり、品質の良いものを作ろうとしました。
 展覧会では、この壁紙の制作に使った7枚の版木の他、色見本のロール紙や、制作中の映像なども紹介。版木をよく見ると、柄合わせのためのピンや、細かい模様を出すために真ちゅうを埋め込んでいる事が分かります。【学芸員:佐々木奈美子】

【問い合わせ先】市美術館(電話番号0942-39-1131、FAX番号0942-39-3134)

▲このページの先頭へ