トップ > 広報くるめ > 高校生が考える人権のはなし

高校生が考える人権のはなし(平成30年12月1日号)

 今年は世界人権宣言が採択されて70周年。久留米市は、市内の高校生に世界人権宣言を読んで、感じたことを絵画や書道で表現してもらいました。そのうち3人に作品に込めた思いを聞きました。

話してみないと、相手のことは分からない

南筑高校3年 松田 龍邦さん

この絵に込められたメッセージは?
 中央にいる人は、いじめや差別、戦争で困っている人。そして、それを地球ごと包み込む大きな手。この手のように、自分も困っている人を支えたいという思いを込めて描きました。
日頃、人権問題を感じることはある?
 友達同士の会話で、外国人に例えて「おまえ○○人みたいだな」って言うのを聞きます。でも、それは外国人を差別する気持ちがどこかにあるからじゃないかと思うんです。ふざけて言ってるだけなんだけど、自分が差別をしているって気が付いているのかなって思うことがあります。
友達がそう言っていたらどうする?
 なんて声を掛けたらいいのか分からず、動けないかも。でも、相手を変えようとするのではなく、自分の考えを伝えたいです。その発言で誰かを傷つけているかもしれないよって。
人権問題の解決に何が必要だと思う?
 人権学習が大事だと思います。外国人差別、部落差別、障害者差別などいろいろな問題があることを知ることで、一人ひとりが変わると思うから。早い時期から学習すれば、人権問題の解消に取り組む人が増えることにもなると思います。
どういう久留米になってほしい?
 みんながあいさつできるまちになってほしいです。会話はあいさつから始まるものだし、話さないと相手のことは分からないから。話をすることで、いろんな人権問題は解決につながっていくんじゃないかと思っています。

自分の意見を持って判断

三井中央高校1年 石内 花蓮さん

 この絵は、「戦争を体験した人が当時の様子を思い出し、思わず涙がこぼれる」という場面を想像して描いたものです。絵を描く前に、おじいちゃんに戦争や戦後の生活について聞くと、食料が少なく、大変な生活だったことなどを話してくれました。今、私たちは幸せな生活を送っているんだなと感じます。
 戦争は、多くの命を奪いました。二度と戦争を繰り返さないために、しっかりと自分の意見を持ち、間違ったことをしていないか判断して行動することが大切だと思います。

堂々と思いを言える社会に

久留米商業高校2年 新屋 蒼さん

 人権学習で、性的少数者と言われる「LGBTQ」の当事者に話を伺う機会があり、誰に相談したらよいのか悩んだことや、辛い思いをした話などを聞きました。当事者の声を聞くことで、「誰も人は皆同じ」ということに気付きました。他人と違うからといって意見を押し殺すのではなく、一人ひとりが自分の思いを堂々と言える社会を、自分たちでつくっていきたいと思います。
 一度に変わることは難しいけれど、一人ずつ変わっていけば、必ず世界中が変わるのではないでしょうか。誰もが人間らしく、自分らしく生きられる社会になってほしいという気持ちを書で表現しました。

人権を守ることが世界平和につながる

 20世紀、二度にわたる大戦で人権は踏みにじられ、多くの命が奪われました。戦争の反省から、世界各国が協力して人権を守る努力をすることが平和につながると考え、昭和23(1948)年12月10日、国際連合で世界人権宣言が採択されました。
 前文と30条の条文で構成されていて、法の下の平等、思想や表現の自由、教育を受ける権利、人間らしい生活をする権利などがうたわれています。法的な拘束力はありませんが、世界各国の憲法や法律、女性差別撤廃条約や子どもの権利条約など人々の権利を守るための条約などに、その考えが取り入れられています。

平成6年に人権尊重都市宣言

 久留米市は世界人権宣言の理念を実現するため、平成6年、人権尊重都市とすることを宣言。部落差別をはじめ、民族差別、外国人差別、障害者差別、女性差別、いじめなどのあらゆる差別の無い、一人ひとりが輝くまちを目指しています。

【問い合わせ先】人権啓発センター(電話番号0942-30-7500、FAX番号0942-30-7501)

12月4日(火曜)〜10日(月曜)は人権尊重週間

高校生の作品をコメントと共に展示

人権啓発センターは、12月10日(月曜)まで「高校生が描く世界人権宣言」パネル展を開催しています。
会場はえーるピア久留米。入場は無料。

▲このページの先頭へ