今年は世界人権宣言が採択されて70周年。久留米市は、市内の高校生に世界人権宣言を読んで、感じたことを絵画や書道で表現してもらいました。そのうち3人に作品に込めた思いを聞きました。
この絵は、「戦争を体験した人が当時の様子を思い出し、思わず涙がこぼれる」という場面を想像して描いたものです。絵を描く前に、おじいちゃんに戦争や戦後の生活について聞くと、食料が少なく、大変な生活だったことなどを話してくれました。今、私たちは幸せな生活を送っているんだなと感じます。
戦争は、多くの命を奪いました。二度と戦争を繰り返さないために、しっかりと自分の意見を持ち、間違ったことをしていないか判断して行動することが大切だと思います。
人権学習で、性的少数者と言われる「LGBTQ」の当事者に話を伺う機会があり、誰に相談したらよいのか悩んだことや、辛い思いをした話などを聞きました。当事者の声を聞くことで、「誰も人は皆同じ」ということに気付きました。他人と違うからといって意見を押し殺すのではなく、一人ひとりが自分の思いを堂々と言える社会を、自分たちでつくっていきたいと思います。
一度に変わることは難しいけれど、一人ずつ変わっていけば、必ず世界中が変わるのではないでしょうか。誰もが人間らしく、自分らしく生きられる社会になってほしいという気持ちを書で表現しました。
20世紀、二度にわたる大戦で人権は踏みにじられ、多くの命が奪われました。戦争の反省から、世界各国が協力して人権を守る努力をすることが平和につながると考え、昭和23(1948)年12月10日、国際連合で世界人権宣言が採択されました。
前文と30条の条文で構成されていて、法の下の平等、思想や表現の自由、教育を受ける権利、人間らしい生活をする権利などがうたわれています。法的な拘束力はありませんが、世界各国の憲法や法律、女性差別撤廃条約や子どもの権利条約など人々の権利を守るための条約などに、その考えが取り入れられています。
久留米市は世界人権宣言の理念を実現するため、平成6年、人権尊重都市とすることを宣言。部落差別をはじめ、民族差別、外国人差別、障害者差別、女性差別、いじめなどのあらゆる差別の無い、一人ひとりが輝くまちを目指しています。
【問い合わせ先】人権啓発センター(電話番号0942-30-7500、FAX番号0942-30-7501)
人権啓発センターは、12月10日(月曜)まで「高校生が描く世界人権宣言」パネル展を開催しています。
会場はえーるピア久留米。入場は無料。
Copyright 2007 Kurume City All Rights Reserved.