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久留米市美術館 とき・ひと・美をむすぶ(平成30年11月15日号)

市美術館のイベントや所蔵作品を紹介します。

魔法にかけられた室内空間

渦を巻くチューリップの茎。隙間からは、色合いの違う別の植物が葉と花をのぞかせています。
この壁紙は、モリスの自宅ケルムスコット・ハウスのダイニングにも使われていました。さながら「魔法にかけられた空間」のようだったと言います。
前景と後景で奥行きを生み出す「二重らせん」の構造は、モリス・デザインの特徴の一つです。タイトルの「るりはこべ」は、実は、黄色い小さな花の方。脇役に見える存在が全体の調和のカギを握っています。多彩な仕事をしたモリス。中でも、長く携わった壁紙には、彼の装飾に対する考えが色濃く反映されています。
パターンの繰り返しのデザインでありながら、継ぎ目を全く感じさせず、まるで草花が自ら生成し、どこまでも伸び広がっていくようです。【学芸員:佐々木奈美子】

【問い合わせ先】市美術館(電話番号0942-39-1131、FAX番号0942-39-3134)

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