トップ > 広報くるめ > 久留米市美術館 とき・ひと・美をむすぶ

久留米市美術館 とき・ひと・美をむすぶ(平成30年10月15日号)

市美術館のイベントや所蔵作品を紹介します。

色から音が聴こえる?

 少女の左膝辺りを見てみると、画面左に向かって針金と思われる黒い線が伸びていることが分かります。
 この作品は、サーカスの綱渡りの光景を描いたものと言われており、右手を上げた不思議な姿勢は、空中技の最中か、決めポーズでしょう。めくれあがった衣服からは、少女が激しく動いているように見えますが、厚く塗られた絵の具やくっきりとした太い輪郭線などの筆跡からは、むしろ少女が静止しているようにも見えてきます。
 背景には具体的なイメージが何も描かれていません。利行は、黄色をマンドリンの音色に例えたこともあるため、サーカス小屋にこだまする歓声や、充満している熱気を描こうとして、暖色系の色彩を散りばめたのかもしれません。皆さんは、この絵からどのような音が聴こえるでしょうか。【学芸員:森智志】

【問い合わせ先】市美術館(電話番号0942-39-1131、FAX番号0942-39-3134)

▲このページの先頭へ